2023/11/8(水)17:30~18:30
物質が持つ知性はどのように社会実装可能か
Living in the Intelligence of Materials World
Posted by local knowledge on October 31st, 2023
ラテン語の「ars」は本来「技」「技巧」「手腕」などを指す言葉ですがここから派生した「artificialis」が現在私たちが使う「artificial 」の語源で、「人工的な(人為的な)」という日本語がここに割り当てられるわけですが、この対義語が「natural」すなわち「自然の」になります。自然に実在するものの代用品(alternative)を人為的に作る行為が「artificial 」で、「artificial intelligence」には本来「人工知性」という日本語訳が割り当てられてしかるべきですが、日本語の、つまりカタカナの「インテリジェンス(intelligence)」は、ヒューミント( HUMINT)や、オシント(OSINT)に代表される諜報活動やそれに関連したセキュリティを指すことが多いので、AI=人工知能が定着した、と考えて良いでしょう。
「知能」には物理量として計測可能な「能力(ある仕事をこなす力)」というニュアンスがあります。ここではデータ量やそれを駆動させるアルゴリズムが重要であることに加え、解決すべき問題がクリアに見えている(=正解は一つである)という前提が共有されていると思います。一方、日本語の「知性」には「品格」とか「品性」、あるいは「教養」のようなものが備わっているはずと感じている人も多いでしょう。世の中に正解など存在しないことを心得ている、とでもいいましょうか。知能が大脳に集中しているのと比較すると、知性は全身にくまなく分散していて、知能が単なるアクティブ(active)またはリアクティブ(re-active)なのに比べると知性はプロアクティブ(pro-active:先を見越した)な印象があります。
生成AIでがっつり儲けようとしている人や無節操に「AIを活用した〜が始まった」を連発するメディアからはあまり「知性」を感じないのはなぜか、はともかく、自然界に内在する未だ外部からは読み取れない、時に理解できない不可知な部分を含む自然現象や物質に対して、適切な環境制御という入力と価値の選択という出力に基づいて発現する知性を研究してきた4人のベテラン研究者(原正彦、中山知信、長谷川修司、桜田一洋)が「AI全盛時代における物質が持つ知性の育み方、あるいは実装」についてお気楽な雑談をやってみよう、というのが今回の「シュレディンガーの水曜日」です。奮ってご参加ください。(竹田)
開催概要
- 日程:2023年11月8日(水曜)17:30から18:30まで(Zoomミーティング形式で実施します)
- 今回は無料です。こちらからお申込みください。
- 主催:シュレディンガーの水曜日実行委員会(原正彦・中山知信・八十雅世・竹田茂)
- 「シュレディンガーの水曜日」は本拠地をWirelessWireNewsからLocal Knowledgeに移行しました。WirelessWireNewsWeeklyと併せてLocal Knowledgeニューズレター もご購読いただければ幸いです。引き続きよろしくお願いします。