邦楽は日本文化を知るための極めて効果的なアプローチ
Posted by local knowledge on December 15th, 2023
サウンドスケープ(soundscape)が日本で話題になり始めたのは90年代も後半ではないかと記憶していますが、私自身もその頃ようやく「音(音響)が生活空間を構成している」ことに気がつき、サウンドスケープ関連書籍を始めとして、『声の資本主義』(吉見 俊哉)、『声の文化と文字の文化』(ウォルター・J. オング,)、『音と文明』(大橋 力)、『聴衆の誕生』(渡辺 裕)、『人間はなぜ歌うのか?』(丸山 圭三郎)、『音楽の根元にあるもの』(小泉 文夫)、『昔話の語法』(小沢 俊夫)などをはじめとする様々な音楽・音響・声に関連した書籍を読み漁った時期があります。
自分自身がそれに加担していることは百も承知の上で、ではありますが、ウェブ空間を飛び交う大量の言葉(テキスト)の軽薄さ、あるいは重量感のなさに疲れた時に、実空間で「肌で聴く」音響は、それがライブコンサートであれ、花火の重低音であれ、あるいはまもなく聴くことになるであろう除夜の鐘であれ、デジタルでは絶対に再現できない豊かな響きを提供してくれます。そして「そんなことは先刻ご承知」だったのが本日ご登場いただくお茶の水女子大・名誉教授の徳丸吉彦さんです。徳丸先生については、日比谷高校以来の同級生である村上陽一郎先生によるこの解説が最も分かりやすいかと思いますが、今夜はこのお二人による「邦楽は日本文化を知るための極めて効果的なアプローチ/ミュージックスとの付き合い方」と題した、ゆったりしたサロン形式の対談を実施します。
1)「上手な演奏」って何だろう?
2)音楽は人間を理解する鍵であるにも関わらず、いまだに知られていない音楽が多数ある理由
3)邦楽の種類となりたち、比較音楽学上の特徴、特有の楽器、社会制度の変遷との関係
4)日本音楽を無視してきた文化政策の影響がますます明らかになる一方で、諸外国での日本音楽への関心が高まるであろう近い将来
などについて語り合っていただく予定です。
年の瀬を迎えての今年最後のローカルナレッジの対談をお楽しみください。
https://www.localknowledge.jp/2023/12/818/
ローカルナレッジ 発行人:竹田茂
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