松村秀一建築塾

【レクチャ・シリーズ】:住宅をつくる人々の新しい物語(第5回)
新築至上主義の終焉ー建築の寿命について考える
松村秀一(神戸芸術工科大学・学長)

Posted by local knowledge on July 8th, 2024

「あなた方はこの摩天楼があと何年もつと思っているのですか?」

このレクチャ・シリーズでは、約40年に亘って私、松村秀一が建築生産について考えてきたことや見てきたことに基づいて、建築を造る人々のこれからを物語ってきた。それは、2023年2月に行った東京大学での最終講義において、時間の制約から十分に触れられなかったことを物語ることでもある。そして、最終講義に参加できなかった方々-住生活産業や建築産業に関係する方々、そして建築学に関心のある方々、それを学ぼうとする方々-に向けても力強いメッセージを発信する機会になればと考えている。これまで

  • 新・建築職人論
  • 20世紀を見逃すな-フラーとイームズの教え-
  • 電脳時代のクラフトマンシップ
  • 閑話・昔話-日本の住宅産業の成り立ち-

について語ってきたが、7月17日に実施する第5回のテーマは「新築至上主義の終焉 -建築の寿命について考える 」とした。1990年代末、マンハッタンに摩天楼の取壊し方を調べに行った時、マンハッタン内で1世紀の間建て続けてきた摩天楼を、これまでたった1棟しか取壊していないという驚くべき事実を知るに至り、代表的な摩天楼ロックフェラー・センターのプロパティ・マネジャーに「あなた方はこの摩天楼があと何年もつと思っているのですか?」と尋ねた時の会話から今回の話はスタートする。日米或いは日欧の建築の寿命に対する考え方には大きな違いがある。それはどのような違いで、何故その違いが続いているのか。ここから日本の建築の寿命について考えていく。

開催概要

イベント名称住宅をつくる人々の新しい物語(第5回)
新築至上主義の終焉ー建築の寿命について考える
開催日時2024/7/17 (水) 19:00~20:30
※お申込みいただいたみなさま全員に見逃し配信を行います。イベント終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。
話題提供者松村秀一(まつむら・しゅういち)
神戸芸術工科大学・学長、早稲田大学理工学術院総合研究所客員上級研究員・研究院客員教授(専門は建築構法・建築生産)
イベント形態Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。
※お申込みいただいた方および「ローカルナレッジ」月額サブスクリプションメンバーの方には、参加URLを事前にメールにてお送りします。
参加料1,500円(税込)
※月額サブスクリプションメンバーは不要
参加方法このウェビナー(Webinar)のみ申し込む
または月額500円(税込)のサブスクリプション サブスクリプションに登録する
※サブスクリプションメンバーは月額500円のお支払いだけで、毎月3〜4回実施される「ローカルナレッジ」が開催する全ての有料セミナーに参加可能です。
購入期限チケットの購入期限は当日7月17日の18:00までとさせていただきます。
主催ローカルナレッジ編集部(スタイル株式会社)
※プログラムの内容・時間などは予告なく変更となる可能性があります。ご了承ください。
松村秀一建築塾

今回の「日本の住宅産業の成り立ち」講義は下記『建築の明日へ』を副読本として参照いただけるとより理解が深まります。

建築の明日へ

建築の明日へ 生活者の希望を耕す

著者:松村秀一

出版社:平凡社

発売日:2021/7/19

968円(本体880円+税)

日本の建築界は世界の先端を走ってきた。しかし現在、構成員の高齢化や必要な建築物の飽和で、成長の限界を迎えている。今後、さらに進化する新技術に対応し、国内外の有効な人材活用を進めることが必要だ。建築・建設に関わる者は、来る時代の要求を的確にキャッチしてこれに応えるため、何を考え、どう実行すればよいのかを「新たな活動領域を見出す」「アイデンティティを見つめ直す」「明日の建築人像を描く」「国境を越えてゆく」「一人の生活者として感じる」の5つの観点から考察する。

松村秀一(まつむら・しゅういち)
松村秀一(まつむら・しゅういち)

2024年4月1日に神戸芸術工科大学・学長に就任。早稲田大学理工学術院総合研究所客員上級研究員・研究院客員教授(専門は建築構法・建築生産)
2023年1957年神戸市生まれ。1980年東京大学建築学科卒業。1985年東京大学大学院博士課程修了。工学博士。1986年より東京大学講師、助教授、教授、特任教授を経て2023年より現職。日本建築学会元副会長。現在、HEAD研究会代表理事、建築技術支援協会代表理事、団地再生支援協会会長も務める。日本建築学会賞(論文、2005年)、都市住宅学会賞(著作、2008年、15年、16年)、日本建築学会著作賞(2015年)等受賞多数。主な著書に『新・建築職人論-オープンなものづくりコミュニティ』(学芸出版社)、『建築の明日へ』(平凡社新書)、”Open Architecture for the People – Housing Development in Post-War Japan”(Routlede)、『空き家を活かす-空間資源大国ニッポンの知恵』(朝日新書)、『ひらかれる建築-「民主化」の作法』(ちくま新書)、『建築-新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ』(彰国社)、『箱の産業』(彰国社)、『「住宅」という考え方』(東京大学出版会)、編著に『和室礼讃』(晶文社)、『和室学』(平凡社)、など。