2024/9/30 (月) 19:00~20:30
レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方(第2回)
言論統制/情報官・鈴木庫三と教育の国防国家
佐藤卓己(上智大学文学部新聞学科教授/京都大学名誉教授)
Posted by local knowledge on September 20th, 2024
戦後のジャーナリズム研究における鈴木庫三(すずき・くらぞう)少佐(情報局・情報官)は最も悪名高い軍人です。非協力的な出版社を恫喝し、用紙配給を盾に言論統制を行なった張本人、ということになっています。ところがふとしたことからこの「悪名」の成立プロセスに疑問を抱いた佐藤さんが様々な文献を丹念に追っていった結果、通説を覆す様々な事実が続出します。そして鈴木庫三が、戦争指導の柱となる国防国家の理論を構築した、日本を愛する教育将校だったことが詳らかになっていきます。『言論統制/情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』は2004年に初版が発行されましたが、その後、佐藤さんの丹念で執拗な調査から、遺族が保管していた資料・日記など、多くの文献がさらに発掘されたこともあり、増補版が2024年5月に発行されました(上の写真の左が増補版、右が初版です。背表紙を見比べるだけで増補版の充実ぶりが伺えます)。そして、鈴木庫三を「悪名高い軍人」として批判した出版ジャーナリズム自身の問題、なぜ鈴木庫三は誤解に誤解を重ねられるようになったのか、当時の世相や空気、そして世論(せろん)が抱えていた様々な課題が再浮上することになります。佐藤さん自身が「渾身の一冊」と言い切る、自他ともに認める好著を副読本にして、未来のメディアの作り方・第2回を開催します。
開催概要
イベント名称 | レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方(第2回) 言論統制/情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 |
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開催日時 | 2024/9/30(月) 19:00~20:30 ※お申込みいただいたみなさま全員に見逃し配信を行います。イベント終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。 |
話題提供者 | 佐藤卓己(さとう・たくみ) 上智大学文学部新聞学科教授/京都大学名誉教授(専攻:メディア史) |
参考図書 |
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イベント形態 | Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。 ※お申込みいただいた方および「ローカルナレッジ」月額サブスクリプションメンバーの方には、参加URLを事前にメールにてお送りします。 |
参加料 | 1,500円(税込) ※月額サブスクリプションメンバーは不要 |
参加方法 | このウェビナー(Webinar)のみ申し込む、 または月額500円(税込)のサブスクリプション サブスクリプションに登録する ※サブスクリプションメンバーは月額500円のお支払いだけで、毎月複数回実施される「ローカルナレッジ」が開催する全ての有料セミナーに参加可能です。 |
購入期限 | チケットの購入期限は当日9月30日の18:00までとさせていただきます。 |
主催 | ローカルナレッジ編集部(スタイル株式会社) |
佐藤卓己氏(上智大学教授/京都大学名誉教授)による「レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方」は、近い将来私たちが構築すべき言論空間、そしてその言論空間を展開するに相応しい形式や運用のあり方を探るために、彼の膨大な著作の中から重要度の高いものを副読本として毎回1冊取り上げ、来年(2025年)3月まで月1回のペースで合計7回の講義を実施します。
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第2回(9月30日実施、終了)
言論統制(中央公論新社、2024)
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第3回(10月28日実施、終了)
輿論(よろん)と世論(せろん)(新潮社、2008)
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第5回 2025年1月24日17時から
テレビ的教養(一億総博知化への系譜)(岩波現代文庫、2019)
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第6回 2025年2月21日17時から
流言のメディア史(岩波新書、2019)
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第7回 2025年3月21日17時から
メディア論の名著30 (ちくま新書、2020)
佐藤卓己(さとう・たくみ)
1960年広島県生まれ。京都大学文学部史学科を経て1986年同大学院修士課程修了。ミュンヘン大学近代史研究所留学後、1989年京都大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学新聞研究所助手、同志社大学文学部助教授、国際日本文化研究センター助教授、京都大学大学院教育学研究科教授を歴任。2024年3月に京都大学を早期退職し、同年4月に上智大学文学部新聞学科教授に就任(現任)。