松村秀一建築塾

【レクチャ・シリーズ】:住宅をつくる人々の新しい物語:第6回(最終回)
建築学から解築学へ
松村秀一(神戸芸術工科大学・学長)

Posted by local knowledge on October 3rd, 2024

建築学ならぬ解築学について
-何故いま解体から考えようとするのか?―

私がまだ子供だった頃、日本の町ならどこに行っても原っぱがあった。オバケのQ太郎もおそ松くんも、時代が下ればドラエもんも天才バカボンも、みんな原っぱで遊んでいた。あの原っぱはどこに行ったのか?今の日本の町では右も左も建物で埋め尽くされている。なのに私たちはまだ建築しようと、懸命に大学教育を行い、建築士の試験をつくり、工務店や設計事務所やゼネコンを営んでいる。どこに建築しようというのだろう?そこここに建っている建物を取り壊さない限り新しい建物など建ちはしない。それが現実だ。もちろん今ある建物に手を加えながら使い続けることもできる。でも新築したいという人もいる。その場合、今ある建物をまるまる解体しないといけなくなる。さて、解体ってどうやってやるんだっけ?誰に頼めるんだっけ?いくらかかるんだっけ?解体時に出てくる物たちはどこにどう捨てればいいんだっけ?そもそも建物って簡単に解体していいんだっけ?解体はわからないことだらけだと気付く。これからの建築を考えるには、先ず解体について考えなければならない。昨年11月から続けてきた「住宅をつくる人々の新しい物語」は、この「解築学」をとりあえずの最終章としたいと思う。(松村)

開催概要

イベント名称住宅をつくる人々の新しい物語(第6回:最終回)
建築学から解築学へ
開催日時2024/10/8 (火) 19:00~20:30
※お申込みいただいたみなさま全員に見逃し配信を行います。イベント終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。
話題提供者
松村秀一(まつむら・しゅういち)
  • 松村秀一(まつむら・しゅういち)
  • 神戸芸術工科大学・学長、早稲田大学理工学術院総合研究所客員上級研究員・研究院客員教授(専門は建築構法・建築生産)
イベント形態Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。
※お申込みいただいた方および「ローカルナレッジ」月額サブスクリプションメンバーの方には、参加URLを事前にメールにてお送りします。
参加料1,500円(税込)
※月額サブスクリプションメンバーは不要
参加方法このウェビナー(Webinar)のみ申し込む
または月額500円(税込)のサブスクリプション サブスクリプションに登録する
※サブスクリプションメンバーは月額500円のお支払いだけで、毎月複数回実施される「ローカルナレッジ」が開催する全ての有料セミナーに参加可能です。
購入期限チケットの購入期限は当日10月8日の18:00までとさせていただきます。
主催ローカルナレッジ編集部(スタイル株式会社)
※プログラムの内容・時間などは予告なく変更となる可能性があります。ご了承ください。
松村秀一建築塾

昨年(2023年)11月21日に開講した松村塾「住宅をつくる人々の新しい物語」は
1)新・建築職人論
2)20世紀を見逃すな-フラーとイームズの教え-
3)ジャン・プルーヴェ(Jean Prouvé)に見る電脳時代のクラフトマンシップ
4)日本の住宅産業の成り立ち
5)新築至上主義の終焉ー建築の寿命について考える
として展開され、今回の最終章
6)「建築学から解築学へ」
にて一旦終了となります。

2025年からはさらに強化した新しいプログラムを展開すべく、現在松村先生と打ち合わせ中です。
詳細がまとまりましたら改めてご連絡させていただきます
(LocalKnowledge編集部)

松村秀一(まつむら・しゅういち)
松村秀一(まつむら・しゅういち)

2024年4月1日に神戸芸術工科大学・学長に就任。早稲田大学理工学術院総合研究所客員上級研究員・研究院客員教授(専門は建築構法・建築生産)
2023年1957年神戸市生まれ。1980年東京大学建築学科卒業。1985年東京大学大学院博士課程修了。工学博士。1986年より東京大学講師、助教授、教授、特任教授を経て2023年より現職。日本建築学会元副会長。現在、HEAD研究会代表理事、建築技術支援協会代表理事、団地再生支援協会会長も務める。日本建築学会賞(論文、2005年)、都市住宅学会賞(著作、2008年、15年、16年)、日本建築学会著作賞(2015年)等受賞多数。主な著書に『新・建築職人論-オープンなものづくりコミュニティ』(学芸出版社)、『建築の明日へ』(平凡社新書)、”Open Architecture for the People – Housing Development in Post-War Japan”(Routlede)、『空き家を活かす-空間資源大国ニッポンの知恵』(朝日新書)、『ひらかれる建築-「民主化」の作法』(ちくま新書)、『建築-新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ』(彰国社)、『箱の産業』(彰国社)、『「住宅」という考え方』(東京大学出版会)、編著に『和室礼讃』(晶文社)、『和室学』(平凡社)、など。