2024年12月13日(金) 19:00~20:30
【新シリーズ開始、参加無料】
『生きるための農業/地域をつくる農業』を著者・菅野芳秀さんと読む
Posted by local knowledge on December 13th, 2024
2015年から2023年まで地域創生のための総合情報誌として発行された雑誌『地域人』から選りすぐりのネタを再編成した新たな書籍シリーズ「地域人ライブラリー」の刊行がスタートしました。これを機にLocalKnowledge/ローカルナレッジでは、元『地域人』編集長で現在は大正大学出版会編集長の渡邊直樹さんをコーディネータとして、新シリーズ「地域人による地域創生」を立ち上げました。12月13日に実施する第2回は、『生きるための農業/地域をつくる農業』を取り上げ、著者・菅野芳秀さんと渡邊直樹さんの対談を実施します。
「ペンを持つ農民」という意味では佐賀県の山下惣一(やました・そういち)さん、山形県の木村迪夫(きむら・みちお)さん、星寛治(ほし・かんじ)さん、齋藤たきち(さいとう・たきち)さんが有名ですが、菅野さんが百姓になってまず尋ねたのが山形県・旧山元村(現在は上山市狸森)の佐藤藤三郎(さとう・とうざぶろう)さんだったそうです。そしてその佐藤さんの薫陶を受けて、菅野さんたちが立ち上げたのが「置賜(おきたま)自給圏推進機構」です。
置賜(おきたま)は現在の山形県南部の米沢市・南陽市・長井市を中心とした盆地。古くは出羽国に属し「おいたみ」と称されていました。現在は行政地名としては郡名の一部にしか存在しませんが、置賜(おきたま)地方は山形県の政治・経済・文化の中心地域と言えます。『生きるための農業/地域をつくる農業』はこの「おきたま」で50年間の地域循環型家族農業を営む著者が経験した様々な悪戦苦闘を綴ったエッセイ集です。
地域循環型家族農業に関心がない行政とのバトルも含め、この書籍を貫いているのは「本当の現場感覚」です。ここには一切の理想論もべき論も登場しません。「やってみたらこうなった」の連続なので迫力が違います。本書では「稲作農家の時給がたった10円。農家の誰もが逃げ出さざるを得ない状態。食糧生産地の崩壊。それがそのまま自分たちのいのちの危機につながっているというのに、あいも変わらずグルメだ、大食いだ、と大騒ぎしているこの国の国民の幼稚さ。世も末だと思う」という苦言と同時に「いま、若い人たちの中には、農に近づき、土を耕すことを暮らしの一部にしようとする人が増えていると聞く。(中略)育てたものを口に運ぶとき、そこには何物にも代えがたい農の世界の喜びがある(あとがきより)」とまとめられています。辛いけどもそれを上回る喜びがあることを特に若い人たちに伝えたい、というメッセージが聞こえてきます。
農業に関心のある若い方、農政に携わる頭の硬い行政の方、そして山形県の方に集まっていただきたいトークイベントになると思います。
本イベントが取り上げる本
開催概要
イベント名称 | 『生きるための農業/地域をつくる農業』を著者・菅野芳秀さんと読む |
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開催日時 | 2024年12月13日(金) 19:00~20:30 ※お申込みいただいたみなさまとサブスクリプションメンバー全員に見逃し配信を行います。イベント終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。 |
話題提供者 | 菅野芳秀さん 百姓 |
コーディネータ | 渡邊直樹さん 編集者、大正大学客員教授・大正大学出版会編集長 |
イベント形態 | Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。 ※お申込みいただいた方および「ローカルナレッジ」月額サブスクリプションメンバーの方には、参加URLを事前にメールにてお送りします。 |
参加料 | 無料 ※お申込みいただいたみなさまとサブスクリプションメンバー全員に見逃し配信を行います。 |
参加方法 | このウェビナー(Webinar)のみ申し込む サブスクリプションに登録する ※サブスクリプションメンバーは月額500円のお支払いだけで、毎月複数回実施される「ローカルナレッジ」が開催する全ての有料セミナーに参加可能です。 |
購入期限 | チケットの申込期限は当日12月13日の18:00までとさせていただきます。 |
主催 | ローカルナレッジ編集部 |
菅野芳秀(かんのよしひで)
1949年生まれ。大学卒業後、労働運動への参加などを経て、76年に帰郷し父の後を継ぎ、百姓となる。大正大学地域構想研究所・客員教授および地域支局(山形県長井市)研究員。置賜(おきたま)自給圏推進機構・共同代表。著書に『七転八倒百姓記 地域を創るタスキ渡し』(現代書籍、2021年)、『玉子と土といのちと』(創森社、2010年)、『土はいのちのみなもと 生ゴミは よみがえる』(講談社、2002年)など。Facebookはこちら
渡邊直樹(わたなべ なおき)
編集者。大正大学客員教授。大正大学出版会編集長。
東京・大塚生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業後、平凡社で「太陽」を編集。その後、「ドリブ」「SPA!」「Panja」「週刊アスキー」などを創刊、編集長をつとめる。J-castの設立に参加後、「婦人公論」編集長。2004年~2016年まで大正大学文学部、表現学部教授。その間も「をちこち」(国際交流基金)編集長、年刊「宗教と現代がわかる本」(2007年~2016年 平凡社)の責任編集を兼務。2015年9月、「地域人」創刊、2023年5月まで編集長。2024年11月、「地域人ライブラリー」創刊。