2025年1月17日(金) 17:00~18:30
レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方(第5回)
一億総白痴化から「一億総博知化」へ
これからのテレビが作り出す新しい教養とは
佐藤卓己(上智大学文学部新聞学科教授/京都大学名誉教授)
Posted by local knowledge on December 23rd, 2024
若い人はご存知ないと思いますが「一億(総)白痴化」は評論家の故・大宅壮一(1900- 1970)による1957年の発言として知られています。簡単に言えば「テレビばかり見てると馬鹿になる」ということのようです。メディア関係者の中にも(自分自身の知的優位を誇示するためにとしか思えないのですが)「テレビや新聞などは見ていない」と豪語する人が(今だに)散見されます。しかし「いや、そんなに捨てたもんじゃないでしょ」ということを歴史的に解き明かそうとしているのが、今回の教材『テレビ的教養: 一億総博知化への系譜』です。「白痴」が「博知」に置き換わっているところが本書の真髄です。テレビが登場した頃は、実はテレビ番組と教養との関連についての熱い議論がおこなわれていたことを明かすと同時に、あまり本を読む機会のない人に対する最低限の「教養と教育」を提供しようとする良質な番組が多く生まれました。そして本書では「テレビ的教養」がよりよい輿論(よろん)をうみだすための公共圏への入口であることを示しています。
Youtube、Netflixなどが脚光を浴びていて「地上波はもう終わった」と(当の)テレビ関係者の嘆きさえ聞こえてくる始末ですが、実はユニバーサルサービスとしての地上波(公共放送=民放も公共放送です)にはまだたくさんの可能性が残されています。巨星墜つという状況だからこそ、そしてインターネット時代だからこその開発の余地がたくさんある、ということですね。どんな方法がありうるかを佐藤卓己さんと議論します。
開催概要
イベント名称 | 未来のメディアの作り方(第5回) 一億総白痴化から「一億総博知化」へ—–これからのテレビが作り出す新しい教養とは |
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開催日時 | 2025年1月17日(金) 17:00~18:30 ※お申込みいただいたみなさま全員に見逃し配信を行います。イベント終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。 |
話題提供者 | 佐藤卓己(さとう・たくみ) 上智大学文学部新聞学科教授/京都大学名誉教授(専攻:メディア史) |
参考図書 |
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イベント形態 | Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。 ※お申込みいただいた方および「ローカルナレッジ」月額サブスクリプションメンバーの方には、参加URLを事前にメールにてお送りします。 |
参加料 | 1,000円(税込) ※月額サブスクリプションメンバーは不要 |
参加方法 | このウェビナー(Webinar)のみ申し込む、 または月額500円(税込)のサブスクリプション サブスクリプションに登録する ※サブスクリプションメンバーは月額500円のお支払いだけで、毎月複数回実施される「ローカルナレッジ」が開催する全ての有料セミナーに参加可能です。 |
購入期限 | チケットの購入期限は当日1月17日の16時までとさせていただきます。 |
主催 | ローカルナレッジ編集部(スタイル株式会社) |
佐藤卓己氏(上智大学教授/京都大学名誉教授)による「レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方」は、近い将来私たちが構築すべき言論空間、そしてその言論空間を展開するに相応しい形式や運用のあり方を探るために、彼の膨大な著作の中から重要度の高いものを副読本として毎回1冊取り上げ、来年(2025年)3月まで月1回のペースで合計7回の講義を実施します。
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第2回(9月30日実施、終了)
言論統制(中央公論新社、2024)
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第3回(10月28日実施、終了)
輿論(よろん)と世論(せろん)(新潮社、2008)
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第4回(12月6日実施、終了)
負け組のメディア史(天下無敵 野依秀市伝)(岩波現代文庫、2021) - 『キング』の時代(岩波現代文庫、2020)
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第5回 2025年1月17日17時から
テレビ的教養(一億総博知化への系譜)(岩波現代文庫、2019)
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第6回 2025年2月21日17時から
流言のメディア史(岩波新書、2019)
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第7回 2025年3月21日17時から
メディア論の名著30 (ちくま新書、2020)
佐藤卓己(さとう・たくみ)
1960年広島県生まれ。京都大学文学部史学科を経て1986年同大学院修士課程修了。ミュンヘン大学近代史研究所留学後、1989年京都大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学新聞研究所助手、同志社大学文学部助教授、国際日本文化研究センター助教授、京都大学大学院教育学研究科教授を歴任。2024年3月に京都大学を早期退職し、同年4月に上智大学文学部新聞学科教授に就任(現任)。