(ローカルナレッジ)とは
LocalKnowledgeは、WirelessWireNewsの 新教養主義宣言 および同メディアの シュレディンガーの水曜日 を源流とするZoomを利用したウェブイベントです。ここに 京都大学学術出版会、 名古屋外国語大学出版会、 本棚演算、 などが合流し、改めて2022年6月に「LocalKnowledge」として創刊しました。
LocalKnowledgeの目的はただ一つ、「新しい教養を再発見すること」です。
「新しい教養」なるものは、
- 明治から続く「教養主義」とはおそらく全く無関係。
- 巷で発行される「教養が身に付く」を謳う本はかなりの確率で怪しい。
- 先達(せんだつ)の思考は斬新なアイデアや発想で溢れている。特に岩波新書・黄版(1977年から396点刊行)の著者の主張には説得力がある。
- 教養は遍在している。特定の地域・人・団体に偏っている、ということはない(これが「LocalKnowledge」というメディア名の根拠)。
- 真の教養なるものは文章、会話、態度、所作、服装、行動などにかなり抑制が効いていて、博覧強記とは無関係。
- 特定の「知」を深めるよりは様々な「知」を渡り歩く状態に教養が宿る(とりあえず文系・理系の区別は排除しましょう)。
というようなものではなかろうか、と考えています。
つまり現代に相応しい新しい教養の基準(standard)をみなさんに実装していくためのきっかけを提供しようとするのが「LocalKnowledge」です。基本的には話題提供者によるスライドをサブテキストとし、Zoom Meeting(またはWebinar)で展開する、気楽にご参加いただけるオンライン講義です。話題の本を参考文献としてご紹介させていただくことも多く、またその本の著者自身がたびたび(話題提供者として)登場します。
「LocalKnowledge」という言葉は、米国の文化人類学者クリフォード・ギアツ(Clifford Geertz)の1983年の著書『Local Knowledge: Further Essays in Interpretive Anthropology,』(邦題:『ローカル・ノレッジ――解釈人類学論集』クリフォード・ギアツ著 , 梶原景昭(他3名)訳、岩波書店1991年)における彼自身による造語です(「ノレッジ」というカタカナ表記は日本国内では一般的とは思えないので、当サイトでは「ナレッジ」という親しみやすい言葉に変えました)。一般的あるいは普遍的な「知」に対して、ローカルナレッジは、局所に偏在し、現場の状況からは分離しにくい知識あるいは言語化しにくい身体知のようなものを指します。ギアツは、これがその地域での掟(おきて)あるいは法のようなものにつながっていくことを示唆しています。
このLocalKnowledgeに参画いただけるチームを引き続き募集しています。ご興味のある方は takeda@gmail.com までご連絡ください。